立春も過ぎ、2月も下旬になると少しずつ日差しが暖かくなってきます。
ところで、「三寒四温」はいつごろだと思いますか?
春先のイメージが、強いですが、もともとは、中国大陸の冬の気候をしめすことばです。
大陸の冬は、3日寒い日が続いたあと、比較的暖かい日が4日続きます。
しかし、日本の冬にはそんな周期はありません。
ただ、日本では早春になると低気圧と高気圧が交互にやってきて、低気圧が通過し寒気が流れ込んで寒くなったのち、今度は高気圧に覆われて暖かくなり、周期的な気温の変化を繰り返すことが多くなります。このため、日本においては「三寒四温」は、寒暖の変化がはっきり表れる春先に用いられるようになりました。
さて、この時期は、「咳が続く」「腰痛が治らない」「めまい・ふらつきがある」「むくむ」こんな症状に悩む方も多いようです。
これは「ホメオスタシス(恒常性)」と呼ばれ、外部環境が変化しても体や血圧を一定に保とうとする体に備わった機能です。この機能に深くかかわっているのが自律神経です。
活動や興奮にかかわる交感神経と休息にかかわる副交感神経が、状況に応じて体を調節しています。
冬の寒さの中では交感神経が活発になり血管を収縮し血圧をあげます。逆に、あたたかいと副交感神経の働きでリラックスし、血管が広がり血圧が下がります。
ところが、「三寒四温」の時期は寒暖の差が激しく、目まぐるしい変化に対応できなくなります。
気温だけでなく、高気圧の下では交感神経が、低気圧の下では副交感神経が優位に働きます。
たとえば、気管支は交感神経が優位な時は拡がり、副交感神経が優位では狭まります。それで、高気圧と低気圧が交互に目まぐるしくやってくるこの季節は喘息も起きやすくなるのです。。
同じように脳の血管の拡張・収縮を調整しているセロトニンも、同じような理由で、この時期不安定になり片頭痛が起きやすくなるのです。
これに限らず、体の中のいろんなところで、この自律神経が働いています。
季節の変わり目は、とかく変調をきたすのはこんな理由からです。
気象病とか、自律神経の不調とか言われますが、すべて自分の体を守ろうと頑張っている結果です。
自然の変化に気を配りながら、自然と仲良くしながらご自分の体をいたわってください。
『三寒四温』と言えど、陽光あふれる穏やかな春はまだ遠くです。
ご自愛のほど。