じめじめした季節、梅雨到来です。困ったものでこの時期に元気を出すのが『かび』です。もっとも、『かび』は1年中、いたるところにいるのですが、①湿度70%以上で、②温度25~28℃あたりが一番住みいいらしいのです。まさにこのシーズンです。そして、③栄養となるのが、ほこりやダニ、たべかすなどです。
この『かび』が原因となるいくつかの病気があります。
*アレルギー性鼻炎:鼻の粘膜についた異物を排除しようとし、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状が出ます。花粉症と同じです。
*夏型過敏性肺炎:アレルギーが原因でおきる肺炎のひとつで、夏に見られます。症状は咳、発熱、倦怠感など風邪と間違いやすい症状です。エアコン内部で増殖したカビが原因になることが多いです。
*気管支肺炎アスペルギルス症:アスペルギルスというカビが体内に入って肺で増殖し、呼吸を妨げます。咳や痰、息切れ、微熱といった喘息と同じような症状が出ます
*水虫:おもに足の指に白癬菌(はくせんきん)というカビが取りつき、強烈なかゆみなどを引き起こします。足に多いのは、靴をはくと蒸れやすくなるため。爪に増殖した「爪水虫」と言われます。
*シックビル・シックハウス症候群:建材や家具に含まれる化学物質だけでなく、建材や家具に発生したカビなども含め、ビルや住宅で見られる健康被害を総称していいます。主な症状は、倦怠感や頭痛、めまいなどです。
さて、この『かび』の退治は、①②③を除くことです。温度を下げることは、この季節には、むずかしいですが、換気をよくし、乾燥させ、ごみ・汚れを取ることです。万が一発生したら、拭くだけでは取れません。菌糸が奥深くまで伸びているので、アルコールまたは重曹水でふき取りましょう。
『かび』は、『胞子』という『種』のようなもので増えます。この『胞子』状態では乾燥にも低温にも丈夫で、何年でも生きのび、①②③の条件がそろうと『かび』になってしまいます。
日頃から、三条件を作らないようにしましょう。